小樽オタモイ海岸  重晶石

  

  

 最初の景色はとても良いのですが、本日の高めの気温も手伝って全身汗だく。ここの海岸の岩石は、重晶石の結晶が肉眼で確認できるとても良いエリアです。この海岸を初めて岩石観察に訪れた時に発見しました。以前より博物館や大学の地質巡検が行われていたようです。

 そんな事も知る由もない我ら素人集団。とても驚いたのは言うまでもありません。しかし、今回は2年ぶりのこの地の訪問です。

 一番驚いたのは、以前訪問した時はたくさんの岩石表面にびっしりと重晶石の結晶が確認できました。しかし今回訪問してみると、多くの結晶が消えていました。多分、そうとう激しい海水の浸食があったようです。よくよく観察いたしますと、人の何倍もあるような岩も微妙に位置が違っていたり、景色が変わっていたのです。

 最近は台風の大きさもとても大きくなりました。前回の冬には、大型台風並みの低気圧が発生していた事を思い出しました。

 この重晶石の結晶が見られる場所は、海岸の波打ち際から離れているのと、高さも結構あるので、ここまで海水が押し寄せる機会はそう多くは無かったはずです。ましてや、巨大な岩が転がるほどの波が押し寄せる事はめったに無かったはずです。最近の台風の巨大化傾向を見ますと、今後、この海岸の重晶石の結晶を観察する機会が将来は消えてしまいそうです。

 今回は自分たちの体力の許す限り、数多くの写真を撮ってきました。その一部を今回ご紹介します。なお、私達メンバーの滝のような汗の一部は、海へと戻っていったようです。なにせ岩石の大小の差が激しく、超メタボで目が不自由な私にとっては、ほぼ拷問に等しかったです。

 

 札幌にほど近い海岸の岩石のユートピアが、今、消えようとしています。

 

 

 

 

 以前、この地を訪問した時には、大きな岩の殆どに下の写真の様なしっかりとした結晶が隙間なく付いていたが、今回は結晶が消えていた。

 おそらく前回の冬に到来した台風並みの低気圧の影響と考えられる。ここの岩に見られた結晶が、何時の時代から存在していたのかは知らないが?

 今回少しでも映像が残せて良かったのではないかと考える。来年だと間に合わなかった可能性がある。

 

 

下の写真の中央部の灰色に見える岩石は海岸に続く岩盤で、重晶石を含む赤茶けた岩石群はこの岩盤上にある。

写真だけで判断すると安山岩と思われる。