日高山脈、日高ひすい散策の散歩

≪ロジン岩と日高ひすい≫

 昔、北海道は日高の山奥で、日高ひすい(厳密にはひすいではなく、クロム透輝石と言う石だそうですが)が取れた時期があったそうです。ですが、宝石クラスの高品位の日高ひすいは取りつくされたそうです。日高の町を流れる沙流川では、まれに拾える事があるようです。

 

 日高ひすいは、日高の蛇紋岩帯の一部で見つかりました。蛇紋岩帯でまれに見つかるロジン岩と言う名前の、白い綺麗な石がありますが、とても硬い白い大理石のような岩石です。ロジン化作用でロジン岩が生まれるそうですが、日高ひすいも、このロジン化作用と関係があるようです。ひすいで有名な糸魚川でも、ロジン岩が、ひすいの取れる地帯で見受けられるようです。

 以前、ひすい峡と呼ばれている所を訪れた事がありますが、当時は岩石にさほど興味が無く、付近の岩石観察もしませんでした。かすかに思い出すのは、川向にそびえる山の異様な形が印象的だったこと。まさにいわゆる変成岩で出来た、まるで餅網の上で焼かれて膨らんだ、お餅のような岩石の山でした。

 

 そこで一言!!

~日高ひすいを見つけるコツがありますが、考えて見ましょう

日高ひすいを採掘した場所を見つけましたが、その付近にはすでに日高ひすいは小さなかけらもありませんでした。

 この沢は、他の沢とは違い、山の成り立ちや川の成り立ちが他の地域とはまったく異なっていました。山の中腹にとても巨大な蛇紋岩が所々で埋まっておりました。この沢の岩石の多くは蛇紋岩が主体でしたが、川の上流域には蛇紋岩帯は存在していませんでした。つまり、この沢の蛇紋岩は山の中腹に埋まっていた巨大な蛇紋岩が沢に流れ込んだと考えられます。もちろん、長い長い年月の果てにこの付近の山が水により侵食され、沢が広がったと考えられます。

 

 日高ひすいの採掘場所は、すでに日高ひすいがまったく存在していません。しかし、この沢の中流域では、低品質の日高ひすいを発見することが可能です。この低品質の日高ひすいは、ひすいと呼ぶには程遠い印象です。

 その中でも面白い事象として、蛇紋岩に覆われた日高ひすいが存在していることは、たぶん知る人はいないのではないでしょうか。多少、重めの蛇紋岩。多少、ロジン化が見受けられる蛇紋岩。こんな蛇紋岩のかたまりの中に、日高ひすいは隠れておりました。でも、お断りしておきますが、これらの日高ひすいには何の商品価値もありませんから、持ち帰ってもいずれゴミになりますから、できればこの地で密かに隠れている方が良いのであろうと私は考えます。

 

※ 日高ひすいは、蛇紋岩のロジン化作用が作り出した岩石かもしれませんね。あくまで素人発見ですが。

 

 

 

  

  巨大なロジン岩をたくさんこの沢で見ることができます。


  

  

  色が微妙に違うロジン岩、他の岩は蛇紋岩です。

 

 


日高ひすい
日高ひすい
日高ひすい
日高ひすい

 

 

 

 

 


ロジン岩
ロジン岩

 

 

ベスブ石
ベスブ石

 

 


ロジン岩とタルク
ロジン岩とタルク
タルク
タルク